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    エンゼルポケット アーカイブ その2

    今日もアーカイブです。昨日「たまに」といったわりに、2日連続になってしまいました。
    話題はセイシン合金アブソーバー・スクリューについてです。

    セイシン合金はオーディオには大敵な振動を抑制する素晴らしい素材です。
    使い方さえ間違えなければ、これほど振動をコントロールしてくれる金属はまず無いといってようでしょう。 今後連載していきます。


    アブソーバー・スクリューの応用
    (実践編 その27:真空管式コンデンサー・マイクロフォンの制振対策)

    テクスト/万木 雅一

    □はじめに
    今回は真空管式コンデンサー・マイクロフォンの制振対策を試みた結果を報告する。実験に提供して頂いたマイクロフォンはStudio migmigの佐藤氏所有のもので、RODE社製Model:NTKでオーストラリア製である。価格は1本約5万円で、それ程高価ではないが、大型のカプセルを持っており、重量感のある繊細な音が特長だ。最近録音関係者には評判が高く、使っているユーザーが次第に増えているようだ。実際の対策は、相島技研とStudio migmigの佐藤氏と共同で行った。

    □分解
    写真1は
    B2008-1-11-1.jpg

    今回実験したマイクの外観である(収録時)。マイク本体と電源部に別れている。ボディーを回して外すと回路基板と真空管が見える。また上部のネット部のネジを外すと、マイクカプセルが見える。
    B2008-1-11-2.jpg

    この機種は分解が簡単で有り難い。

    □マイク本体の制振対策
     マイクロフォンの制振対策は初めてだが、今までの経験から1.カプセル部、2.基板部、3.真空管、のそれぞれを制振対策してみた。
    1.マイクカプセルはゴム製のマウントで支えてあり、カプセル部の枠はM2のネジ4本で固定されている。本来はネジを交換したかったが、合うネジがないので、W2のワッシャーを挟むことにする。
    2.次に基板部の固定にもW2.6のワッシャーを挟み固定し直した。更に電解コンデンサーには角型のツァウバーディスクIC(新製品)を3枚貼った。
    3.最後に真空管のソケットにツァウバーワイヤーΦ1.2mmを2重に巻きつけ、真空管の不要な振動を防止した。
     まずはこの時点で音を聴いてみた。マイクを手で持って声を出してみると、低音域のこもり音が減少し、高音域の抜けが良くなっている。1枚以上ベールを外したような印象の音だ。マイクロフォンは音波を微細な電気信号に変換するトランスデューサーであり、ここの不要な振動を低減することが音質向上の決め手になるはずである。カプセル部、微細な信号を扱う信号基板、真空管、を制振対策することによって、不要な振動を効果的に除去できる。

    □電源ボックスの制振対策
     次に電源ボックス内の1.基板、2.トランス、の対策を行った。
    B2008-1-11-3.jpg

    1.基板の固定部分にW3のワッシャーを下に敷き、ネジも制振合金製M3×6に変更した。
    2.この機種はトランスが基板上に乗っているので、トランスを固定している上部の板の間に、パンチベルトのM5(板厚1mm)を挟み、振動低減を試みた。念のためネジも制振合金製M3×6に変更した。
     この段階でまた試聴したが、もう一枚ベールが取れて、高音域の抜けが良くなった。これは解像度が上がった証拠だ。低音域も音に締りが出てきて、音に安定感が出た。この音質なら良い音で取れそうな期待が持てる。何時もながら、電源部の制振対策は重要な要素である。

    □録音現場で音の調整
     Studio migmigの最新録音(荒谷氏のギターソロ)に立会い、セッティングを含めて音の確認を行った。
    B2008-1-11-4.jpg

    前記の改造に加え、マイク本体のケースにも制振合金の端材を貼り付けたりしてみたが、今までのマイクに比べあまりにも変化が有り過ぎたので、端材は外して録音した。今回の録音はDSD(スーパーオーディオ)のマルチチャンネル(8ch)レコーダーを使い、今回改造したマイクをメインの左右に、センター用にAKG1本、リアの左右にBKを2本使い5chで録音した。マスタリング時にエコー成分を調整できるからである。
     すべてのマイクには制振合金製のマイク変換ネジを1組づつ使用し、リア用のマイクには、制振合金製のステレオバーも使ってみた。スタンド等にはインシュレーター「RASEN」も活用し、全体の音のバランスを整えた。音の確認はヘッドフォンを主に行ったが、ご機嫌な音で取れている。

    □マスタリング時の試聴
    マスタリングの最中にStudio migmigに伺い、バランス調整された音を聴いてみた。ギターの繊細な高音域もさることながら、中音域、低音域もクリアーで芯のある音が再現されている。リアマイクのバランスも臨場感とホール空間の響きが適度に加わり、実に生々しいギターの音である。演奏者の息遣いも生々しく収録されている。今度発売(8月20日予定)されるディスクはスーパーオーディオとCDの2層になる予定である。発売が今から楽しみだ。

    □終わりに
     今回初めてマイクロフォンの制振対策にチャレンジしたが、結果は上々であった。CDプレーヤーやアンプに比べて、制振対策による変化が激しいため、始めは面食らってしまったが、最終的な音を確認して満足している。
    マイクロフォンは微小信号を扱うため、慎重な気遣いを必要とするが、少しの制振対策で見違えるほどの音質改善効果が得られたのが嬉しい。
    以前から録音時の音の重要性を叫んでいるが、今回踏み込んでマイク自体の制振対策を行った経験が、これから役に立ちそうだ。また、今回はDSD録音でもあったため、良質なマザーが収録できたので条件的には最良であった。今後、このようなアプローチを推進して行きたい。

    ギターソロ お酒片手に しみじみと 庭の紫陽花 愛でる音かな

    ではまた。


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