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    エンゼルポケット アーカイブ その4 (セイシン合金)

    アブソーバー・スクリューの応用
    (実践編 その18:SCD-XA777ESの音質改善)

    万木 雅一
    □はじめに
     今回は相島技研と協力して、ソニー製のSACDプレーヤー:SCD-XA777ESの徹底的な音質改善対策を試みたので、皆様にご紹介する。 SCD-XA777ESはマルチチャンネルのSACDソースにも対応しており、価格は安くもないが(定価¥31万円)人気のある商品だ。 それでも、徹底的に対策したCDP-X5000に比べると、音質的には不満が残っていた。 そこで、制振対策を行うとどのように音質改善が可能か実験を行ったのが今回である。 その結果、見違える音質改善がはかれたので、皆様にご紹介する。
    scd.jpg


     制振対策を実施した箇所は:1. 電源部の大型コンデンサーと電源トランス 2. デジタル基板上のIC 3. メカとサスペンション部 4. クリスタルの交換 5. 底板のコーリアン化と足の交換、等である。 それでは個々の部分を詳しく説明する。
     
    □電源部のコンデンサーと電源トランスの制振対策
     電源基板(下写真)の電解コンデンサーは振動により音質劣化を招きやすい。 
    B2008-2-14-1.jpg


    そこで1個づつ丁寧にツァウバーシート(0.2mm)を両面テープを使い巻き付けた。 今まではツァウバーワイヤー等を使った事もあったが、最善の方法はシートの巻き付けである。 剥がれないように、ツァウバーシートを曲面に慣らしてから巻き付けると良い。 別の方法としては、今回発売された制振合金粉体塗布シートを使う手もある。
    sheet.jpg


    整流ダイオードにはツァウバーディスクを貼り付けた。 これも電源基板対策の基本である。
     基板の固定には、基板の下に制振合金製W3ワッシャーを敷き、上部からWS3スプリングワッシャーを挿入して行った。 ソニー製のこの手の機種はタッピングネジを多用しており、今は制振合金ネジのラインナップにないので、ワッシャーによる対策になる。
     次に、電源トランス(2個)は下にパンチングベルトのM5を切って敷き、上部から制振合金製M4ネジとスプリングワッシャーWS4を使って固定した。 この方法が今までの経験からベストである。 また、底板をコーリアンに変更しているので、直にタップを立てて固定した。(実はこれがすごい効き目)
     電源トランスや電源基板は大きな震動源でもあり、ここの制振対策は必須項目である。 ここをしっかり対策する事で、見違える音質向上がはかれるのである。 具体的には、アースがしっかりしたかのように、音の全体がピラミッドバランスになるのである。 どちらかと言うと、低音域の安定感が向上する傾向だ。

    □デジタル基板
     デジタル信号処理(PCM, DSD等)のICも振動による音質劣化の要素がある。 今回はφ10mmのツァウバーディスクを上部に貼り付けて対策を行った(ここも今回発売された粉体シートの活用が考えられる)。
     基板の固定には、電源基板と同様に、基板下に制振合金製M3ワッシャーを挟み、上部にスプリングワッシャーWS3を挿入して固定した。 これも今までの経験からベストな方法だ。 デジタル信号を伝送するフラットケーブルにも、ツァウバーシートを部分的に貼り付けた。 これも音質向上にすごい効果がある。 これらの対策による効果は、解像度の向上につながる。

    □メカとシャーシのサスペンション
     普通メカ部はゴムかスプリングを使ってシャーシと浮かせてある。 SCD-XA777ESも例外に漏れずスプリングで対策してあった。 このスプリングやゴムは、外部からのショックに対しては有効であるが、音質面から言うとあまり良くない。 それは、スプリングやゴムはその性質上、低周波領域で振動のピークがあり、フワフワとした振動が常時残ってしまうのである。 試しにスプリングを弾くと、なかなか振動が収まらないことをよく経験する。 そこで車などでは、ショックアブソーバー(いわゆるダンパー)を使って低周波振動を抑えているのである。
    susa.jpg


    B2008-2-14-2.jpg

     今回は上写真のようにφ1mmのツァウバーワイヤーをスプリング状に巻き、上部にM8ワッシャーとWS5スプリングワッシャー2枚を使ってメカを固定してみた。 制振合金でスプリングを作ると、ダンパー効果も発揮するので、低周波振動の悪影響が避けられるのが有り難い。 また高周波振動もスプリング内部で吸収してしまうので一石二鳥の働きになる。 今まではスプリングを外してリジットに固定する方法を試みていたが、作業は面倒でも、徹底的にと言う事もあり制振合金でスプリングを作ってトライしたのである。 その結果、今までにない好結果が得られたので、是非お勧めする。 φ1mmのツァウバーワイヤーは比較的柔らかいので、スプリング形状が作りやすいので助かる。
    次に常套手段のディスクスタビライザーをディスクのチャッキング部に貼り付けた。
    これらの対策は解像度の向上につながる。 今回の制振合金製スプリングは効果絶大で、今まで聞こえなかった音が出てきた。 また楽器の定位も向上し、定位のフォーカスも絞り込まれてきた。 不要な付帯音が減少したためである。

    □クリスタルの交換と制振対策
     クリスタルの交換(発信周波数精度の向上のため)は最近もてはやされているが、今回精度の高いクリスタルを特注した。 
    B2008-2-14-3.jpg


    その上写真のように、ツァウバーディスクを貼り付け、制振対策の徹底をはかった。 この対策は別次元の安定した音になるのでお勧めである。 (後日、発信回路付のクリスタルを特注して交換したが、この方がもっと優れていたことを報告する。)
    clock.jpg



    □足の交換
     足の対策も重要な要素だ。 今回徹底的な対策と言うこともあり、底板をコーリアン(特注:t=13mm)に交換した。 足はコーリアンにタップを立て、制振合金製のSA-2510bを固定した
    B2008-2-14-4.jpg

    (上写真参照)。 ここはインシュレーターで対策する手もあるが、機器を移動する機会が多いと面倒なこともある。 予算がある方は、RASEN等をネジ止め出来るように座具って固定する方法も良い。 さすがにコーリアンの底板と制振合金製の足の組み合わせはS/N比が向上して嬉しい。 どっしり安定した低音域も同時に得られる。


    □その他
     シャーシの底板や天板、背面パネル等の固定にも制振合金製のスプリングワッシャー(WS3やWS4)を使うと効果が出る。 特に天板と背面コネクターは効果が高いので、是非お勧めする。 この対策は音が広々としてくる。 音の空間表現が大きくなるのである。

    □終わりに
     SACDのプレーヤーは3世代目になった。 しかし、現状においては、CDに比べ歴然とした音質の差が見出せないのが現状ではないか?
     今回の制振対策の結果は、CD再生においても現有のCDP-X5000を超えた音になった。 CDに比べ高密度記録のSACDであるが故に、振動による音質劣化も大きいのではないかと考える。 SACDディスクに入っている音楽は、もっと深いものがありそうだ。 まだ再生装置が煮詰まっていないのではないかと考えさせられる。
     制振対策は内部を開けて行う必要があり、誰でも簡単に出来るとは限らない。 その点、相島技研ではユーザーのご要望に応じて、クリスタルの交換から制振対策まで比較的安いコストで行ってくれるのが有り難い。 腕に自身のない方は、気軽に相談してみては如何でしょうか?
     相島技研のホームページは:http://www5b.biglobe.ne.jp/~a-ag/です。

    「星空の 清き光を 身に受けて 熱き魂 磨く冬の夜」

    ではまた。

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